【深層NEWS】航空ショー初公開も不具合か?中国・新型ステルス戦闘機「殲35」“米国に並んだ”戦力誇示…性能は?電磁式カタパルト対応で空母艦載型も▽台湾めぐる米中戦力差は?
中国の広州市で開催中の航空ショーにおいて、最新のステルス戦闘機「殲35」が初めて公開され、注目を集めています。中国空軍は今年、創設75周年を迎え、その節目にあたるこのイベントで軍事技術力を世界にアピールしようとしています。専門家たちは、この航空ショーが中国の軍事力増強の重要な一環であると指摘しています。
航空ショーでは、陸海空に加え、宇宙やサイバー領域を含む全領域での軍事力の一体化がテーマとされ、様々な航空機やドローン、ミサイルが展示されています。山下博隆氏は、「中国は航空機だけでなく、軍事技術の統合運用能力を示すことに注力している」と述べ、この動きはアメリカに対抗する意図があると分析しています。
一方で、航空ショーの前夜には、広州市で発生した暴走車による事件が報じられ、35人が亡くなる悲劇がありました。この事件の背景には、個人的な不満が関与しているとされ、当局は情報の削除を行っているとの報道もあり、社会の不満が顕在化していることが指摘されています。これにより、航空ショーの開催が注目を集める一方で、中国社会の閉塞感も浮き彫りになりました。
新型ステルス戦闘機「殲35」は、F35に対抗するための機体として開発され、2基のエンジンを搭載しています。中国メディアによると、最高速度はマハ2.2とされ、空中目標だけでなく地上目標への攻撃も可能です。しかし、デモフライトの際にはトラブルが発生し、5分間の予定が30秒ほどで終了したとの報道もあり、エンジンや操縦システムに不具合があった可能性が指摘されています。
さらに、航空ショーでは、空母に搭載可能な新型機も発表され、電磁式カタパルトにも対応しているとのことです。これにより、中国は空母戦力の強化を進め、台湾を巡る米中の軍事力の差を縮める狙いがあると考えられています。専門家たちは、今後の国際社会における中国の軍事力がどのような影響を与えるのか、注視しています。
米中関係が緊張する中、航空ショーでの中国の軍事力の誇示は、国際的な警戒感を高める要因となるでしょう。中国が軍事力を増強する一方で、アメリカはその対応を模索しています。台湾を巡る問題は、今後の米中の戦力バランスにも大きな影響を与えると見られています。