映画「ファイナル・エクスプレス」にインスパイアされたパフォーマンスで、ゾンビが高速列車の車内に登場。乗客はイベントを「非常に没入感がある」と評価
日本の有名な効率的な新幹線に乗って、通常は2時間半の静かな旅を楽しめる。しかし、最近の旅では、乗客が恐怖で悲鳴を上げ、あっという間にゾンビの大惨事のような状況に陥った。
ハロウィーンの2週間弱前、10月19日に行われたアドレナリン満載のツアーの主催者は、これを「走行中の新幹線で体験できる世界初のお化け屋敷」と宣伝した。
貸切となった新幹線(日本人は弾丸列車をこう呼ぶ)の車両1両には、東京と西の大都市大阪の間で生ける死者との遭遇に勇敢に挑戦するスリルを求める約40人の乗客が乗っていた。
この不気味な体験は、走行中の列車に閉じ込められた父と娘が人肉に飢えたゾンビと戦うという、2016年の韓国のヒットアクションホラー映画『ファイナル・エクスプレス』にヒントを得たものだ。
土曜日の夕方、新幹線が平和的に出発したため、最初はすべてが正常に見えたが、最初の残忍な攻撃が起こるまで長くはかからなかった。
主催者によって座席に座らされた俳優らである犠牲者たちは、苦痛で身をよじらせ、その後恐ろしい変貌を遂げ、その後同乗者に対して暴れ始めた。
イベントを主催した「怖がらせ隊」の岩名健太さんは、このイベントの目的は「普段は安全で平和な、私たちが当たり前だと思っている新幹線が、一瞬にして崩壊する様子を描くこと」だと語った。
俳優の一人の隣に座っていたのは、船に乗っていた多くの外国人観光客の一人、ジョシュア・ペインだった。
「ここに座って、目の前で起こっていることをただ見ているだけで、文字通り映画の中にいるような気がした」と31歳のアメリカ人は語った。
「今、東京から大阪まで物理的に移動して、同時にこのパフォーマンスができるというのは、本当にクールだし、ちょっと画期的かもしれない」と彼は語った。
ゾンビがはびこる列車に乗った多くの人々は、この体験だけでも最高5万円(335米ドル)の乗車券代金の価値があったと語った。
「とても没入感がありました」と野沢直彦さん(30)は語った。「そして、本当にたくさんの種類のゾンビが登場して、ずっと楽しませてもらいました。」
今年60周年を迎えた日本の機関である新幹線は、普段は驚くほど清潔で事故も起こさないが、JR東海にとっては初めての実験ではない。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより長距離旅行の需要が急落したことを受け、鉄道事業者は事業の多様化を図るため、特別イベント向けに新幹線の車両を貸し出す事業を開始した。
高速列車では寿司レストランやバー、さらにはレスリングの試合も開催されており、車両を貸し切ってプライベートパーティーを行うこともできる。
JR東海の観光子会社の泉真理恵さんは、コワガラセタイからゾンビをテーマにした通勤電車の企画を持ちかけられたとき、実現は「ほぼ不可能」だと思ったと驚いたという。
しかし、このイベントによって、新幹線の「新たな可能性」を確信したと泉さんは語り、将来的にはコンサートやコメディショーもうまくいくかもしれないと付け加えた。
イベント当日はおもちゃのチェーンソーや銃が小道具として使われたが、新幹線の清廉潔白な評判を傷つける可能性のある極端な暴力や残虐な描写は避けられた。
控えめな恐怖感とバランスを取るために、2時間半のツアーには、マイケル・ジャクソンの「スリラー」に合わせて振り付けられたダンスなど、ゾンビのチアリーダー、マジシャン、コメディアンによる陽気なパフォーマンスが散りばめられていた。
「誰もこんなに長い間、恐怖にさらされてじっと座り続けたいとは思わない」と恐怖せ隊の今出綾香さんは言う。
新幹線の車内で乗客がゾンビに襲われた――?ハロウィーンを前にした19日、新幹線の車両をお化け屋敷にするイベント「ゾンビ新幹線」が行われた。この日のために貸し切られた東京発新大阪行きののぞみ号16号車車内には、乗客らの悲鳴が響き渡った。