「極超音速ミサイル」の防衛手段は 「スクラムジェット」の可能性

近年、極超音速ミサイルの脅威が日本に迫る中、新たな防衛手段として「スクラムジェット」の可能性が注目されています。今月24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、肝付町から観測ロケットS520-1を打ち上げ、先端に搭載されたスクラムジェットエンジンの飛行燃焼試験を成功させました。この技術は、マッハ5以上の速度で飛行しながら大気中の酸素を取り込み、燃料を燃やすことができるため、将来的には極超音速の旅客機や防衛システムに活用できると期待されています。

 

防衛分野でのスクラムジェットの利用が期待される背景には、すでに中国やロシアが極超音速ミサイルの生産と配備を進めていることがあります。極超音速ミサイルは、弾道ミサイルと比べて予測が難しく、迎撃が困難なため、日本の防衛網にとって大きな脅威となっています。特に、今年1月に北朝鮮が発射したミサイルは、その防衛網の突破を狙ったものとして分析されています。

 

アメリカもまた、極超音速ミサイルの開発を進めており、今月初めて地上発射式の試験に成功しました。ロケットから切り離された弾頭がマッハ5以上の速度で複雑な軌道を描き、約1600キロメートル先の標的を狙うことができます。アメリカ空軍は、爆撃機や戦闘機から発射される極超音速ミサイルの試験飛行にも成功したと発表しています。これにより、仮にマッハ10程度の平均速度で移動する場合、900キロ先に到達するのにわずか5分もかからないとされています。

 

このような情勢の中、極超音速ミサイルは東アジアのパワーバランスにおいて重要な要素となる可能性があります。日本は、スクラムジェットなどの新技術を駆使して、これらの脅威に対抗するための防衛手段を模索する必要があります。未来の防衛戦略において、極超音速技術の実用化がどのように進展するかが注目されます。

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