女性を風俗店に…まるで“人身取引” 売り上げ70億円か 風俗スカウトグループ「アクセス」リーダー逮捕 背景に“悪質ホスト”問題
風俗店で働く20代女性を対象とした悪質なスカウト活動が明らかになり、大分県別府市の違法風俗店に女性を紹介したとして、スカウトグループ「アクセス」のリーダー、遠藤和容疑者が再逮捕されました。彼が主導するこのグループは、約300人を抱える巨大な組織で、その売り上げは70億円にも上るとされています。
スカウトの手口は、SNSを利用して女性を勧誘し、自撮り写真を元に全国の風俗店に斡旋するというもので、最も高い報酬を提示した店に女性を紹介する仕組みになっています。この活動は、まるで人身取引のような側面を持ち、女性たちが風俗店で働くことを強要される場合もあると指摘されています。
元スカウトの男性は、ホストから依頼を受けて風俗に女性を斡旋するケースが多いと語り、ホスト側にとってもスカウトを通じて女性の稼ぎを確認できるメリットがあると述べました。実際、風俗での紹介料の一部はホストにも支払われる仕組みになっており、女性は全国各地で働くことを余儀なくされています。
さらに、ホスト業界の悪質な部分がこの問題を助長しており、借金を抱えた女性たちが風俗に身を投じる状況を作り出しているとの声も上がっています。特に、風俗業界やホスト業界に関する相談が、支援団体に多く寄せられており、支援活動が求められています。
警視庁は、この問題を受けて特別捜査本部を設置し、30年ぶりの大規模な捜査を行っています。しかし、元スカウトの男性は、悪質なスカウト行為がなくなることは難しいと懸念を示しています。
この問題の根本には、日本独特の価値観があるとも指摘されています。自己犠牲や献身が美徳とされる文化が、女性たちを風俗業界に追いやる要因となっているのです。これに対し、社会全体で価値観を再評価し、女性が物のように扱われることがないようにする必要があると専門家は警鐘を鳴らしています。
今回の事件を受け、風営法の改正案が今月の通常国会に提出される予定です。悪質なスカウト行為やホストの問題を根本から解決するための新たな取り組みが求められています。
