ミャンマーの国境地帯において、中国系犯罪集団による特殊詐欺の拠点が明らかになりました。この拠点では、多くの外国人が人身売買の被害者として監禁され、詐欺行為に強制的に加担させられていたことが報じられています。タイのメディアによると、ミャンマーにおける二つの少数民族武装勢力の支配地域で、18日までにアジアやアフリカ出身の外国人約2000人が解放されたとのことです。
特に注目されるのは、明日にも第一陣として約200人の中国人被害者がミャンマーから引き渡され、中国に帰国することが決まっている点です。詐欺拠点では、外国人らが1日10時間以上の長時間にわたり詐欺行為を強要され、ノルマを達成できなければ暴力的な罰を受けるという厳しい状況が続いていたとされています。
特に日本人の被害者として、愛知県に住む16歳の高校生が先週保護されました。彼は中国人のボスから警察官を装って詐欺を行うよう指示され、命令に背いた場合には電気ショックを受ける恐怖にさらされていたと述べています。また、当局への取材によれば、ミャンマーでの詐欺拠点に複数の日本人が監禁されていることが確認されており、暴力団に指定されている「チャイニーズドラゴン」の関連グループがこれらの犯罪に関与している可能性が高いとのことです。
チャイニーズドラゴンは、ミャンマーやカンボジアなど東南アジア各地で活動しており、日本人と中国人のメンバーが協力して詐欺行為を行っていることが示唆されています。警察幹部によると、詐欺拠点には20人以上の日本人が監禁されているものの、彼らの解放の見通しは立っていないという厳しい状況が続いています。
この問題は国際的な人身売買や犯罪組織の活動を巡る深刻な事態であり、今後の対応が強く求められています。政府や関係機関は、被害者の救出や再発防止に向けた取り組みを一層強化する必要があります。